雲岩公園のツツジ

雲岩公園は天の橋立から直線で西南西方面、10km余りの所にある。
地元以外ではあまり知られていない山中の公園である。
雲岩公園はどれと言った施設があるわけではない。
が、知る人ぞ知るというツツジの名所なのだ。

雲岩公園一帯は普段は何の変哲もない山である。
公園と言っても特に施設や遊戯があるわけではない。
立派な巨岩がそそり立っているというだけの普通の公園である。
ところが・・・ 春になり5,000本の山ツツジが一斉に咲くとあたりの景色が一変する。
まさに雲岩公園はツツジの為の公園なのだ。

雲岩公園入口の石段を一歩一歩登り、分かれ道の所で右手の方に入った。
勿論左手を進んでも同じ所へたどり着くのだが、右手の方が景色が良いと思われた。
頭上を覆うような背の高いツツジを楽しみながらなだらかな山道を歩いた。
途中の小広場のベンチに腰かけて家内手作りの持参の弁当を広げた。
周りを覆うツツジの花と鳥のさえずりを楽しみながらである。

ここから更に上へ登るとやや急な斜面の道もあるが、全体的には歩きやすい山道である。
ツツジが覆う道を20分位歩いただろうか？
頂上の広場へでた。
広場と言っても半分ぐらいはツツジの花に覆われている。
目の前に屏風がそそり立つような豪快な巨岩が現れた。
雲岩公園のシンボル的な巨岩なのだろう。
じっと眺めると何か不思議と親しみの湧く気がする巨岩である。
巨岩の脇道から少し上へ登ってみた。
巨岩の周囲はびっしりとツツジで埋め尽くしている。
ピンクの衣装を纏った豪快な岩もこの時ばかりは少し恥ずかしいかも知れない。
そう思うと親しみが一層湧いてきそうだ。

巨岩から少し離れた所に東屋が建っている。
東屋の辺りからツツジ越しに見る眺望はバツグンだ。
春の陽気に誘われて小鳥のさえずりが聞こえる。
気持ちが透き通るような心地よいひと時を楽しんだ。

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