鳥見山公園のツツジ

鳥見山公園は宇陀市榛原町と桜井市の境界にそびえる標高734mの鳥見山の頂上近くにある自然公園である。
紅葉の名所であるとともに大和葛城山と並ぶ奈良県屈指のツツジの名所として知られている。
鳥見山公園は近鉄榛原駅から直線で約1km北にある宇陀警察署の横を更に2kmあまり坂道を上がって行った所にある。
整備された道ではあるが道幅は狭く曲がりくねっている。その上、とにかく急坂が多い。
車のギアはセカンドでなければ登れないほどだ。
三度ほど対向車に出会った。急坂のカーブでやむなくバックを強いられたこともあった。
雨にもかかわらず鳥見山公園の駐車場は先客の車が十数台停まっていた。
車を降りるとそこはツツジの世界だ。
駐車場を取り囲むように見事に色づいたツツジが見える。
空は黒い雲で覆われ、山は霧に霞んで上の方は全く見えない状態だった。
それでもあちこちで鑑賞客が思い思いに散策したりカメラで写真を撮っているのが見えた。
山の斜面や階段を少し登って行く。スゴイ！スゴイ！歩けど歩けど、木々の間に間にツツジの満開が続く。
霧雨が間断なく降り続く中浮かれるようにツツジの中を歩き回る。
50m先も霞んでよく見えなくなってきた。
こんな天気の中でしか見に来れない不運はあるが、それでも鳥見山のツツジに出会えたことは幸せだ。
霧雨にけぶるツツジもなかなか味わい深いものがある。
それほどに素晴らしいツツジの花園といえるだろう。

雨に濡れた体は次第に寒さを増してきた。
車に戻り、濡れたジャンパーを脱ぎ、手や頭をタオルで拭く。靴の中もびしょ濡れだ。
温泉に浸かってぬくもりたい。
近くの日帰り温泉、大宇陀温泉・あきのの湯へ向かった。
大宇陀温泉・あきのの湯は肌がつるつるになる、お気に入りの温泉だ。

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