西の沢ノハナショウブ群落

伊賀市西之沢に花菖蒲の原種ともいわれるノハナショウブが咲いていると知り
是非一度見てみたいものだと思っていた。

伊賀と云えば大阪や奈良からは1時間前後で行けるなじみの深い所だ。
この日は三重県の方面に行くついでに立ち寄ってみた。
西之沢ノハナショウブ群落は名阪、壬生野(みぶの)インターチェンジから
すぐの所に位置するのだがカーナビでもなかなかば分からないほどの田園地帯にあった。

田園の一角と云っても近くには立派な工場があるかと思えば養豚小屋もある。
その近くで咲く花菖蒲も少し微妙な立場にみえる。
空はどんよりとして景色としては今一つなのだが
花菖蒲だけは生き生きとしてその一角を青く染め上げている。

青色というよりは濃い赤紫だろうか?その一色だけである。
大きさは10pあまり、花菖蒲としては小ぶりである。
花の中心に爪の形をした部分が黄色になっている。
ノハナショウブ、なかなかの美しい花である。
現在の改良された花菖蒲のように派手さはない。
が、見れば見る程愛着が湧いてくるそんな可愛い花なのだ。
そしてこれがかっての大和人に愛された花なのである。

ここのノハナショウブはかっては他の場所に自生していたが
工場敷地の造成工事に伴いこの地に移植されたと看板に記されている。
三重県指定の天然記念物として地元の人々に大切に守られているのだ。

つつましくも悠然と咲き誇るノハナショウブに拍手を送りたい。
これからも花菖蒲を見るたびにこのノハナショウブを思い出すであろう。
おすすめ度 ★★
(2.1)
一色だけで約3,000株、花菖蒲の原種でこれだけ咲いている所は珍しい。
機会があれば見て欲しいものです。かっての我々の祖先が愛した花です。

ノハナショウブの咲く景色をどうぞ