姫路城のさくら

姫路城は世界に誇る日本の名城だ。
その姿は富士山と共に日本の象徴的な景色である。

姫路城の桜は二十歳過ぎの時に見たきりである。
何としても訪れたい。
執念にも似た気持ちで予定を立てた。
にもかかわらず朝からどしゃ降りの雨、しかしひるむことなく強行した。

駐車場からもう満開の桜が物凄いボリュームである。
桜だけならここだけでも充分過ぎるくらいだ。
係の人の案内で動物園を通り抜ける事にした。
桜の季節の姫路市立動物園は無料開放だという事らしい。
いくつかの動物を見ながらも心は姫路城だ。
右手の池に噴水が出ている。その向こうに堂々たる姫路城が見えた。
ここからの姫路城の眺めは最高だと係の人が教えてくれた。
雨に霞む姫路城、桜に包まれた姫路城、
幻想的だ、まさに夢の城だ。
動物園を出て右手に進む・・・と眼前に高くそびえる姫路城。
次々と感動が心の中を襲う。
城を見るのが大好きで日本の幾多の城を回ったがこれほどの雄大で美しい城はない。

手前の桜が姫路城を天高く押し上げている。
桜を観に来たはずなのだがこの場所に限ってはお城が主役である。
しかし姫路城の桜ほど誇らしい桜はないだろう。

入城して次々と見て回る。流石は姫路城だ何所を見ても素晴らしい。
そしてそれ以上にこの短い命を燃やす桜の花に賛辞の拍手を送りたい。

石垣をバックに咲く桜も、
白壁の横に咲く桜も、庭園の地を這うような桜も・・・。
姫路城を包む全ての桜よ、惜しみなく賛辞の拍手を送ろう。
そして日本に生まれたことに感謝したい。
これだけの遺産を残してくれた祖先の人達に感謝したい。

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